カワサキ「87年式GPX750R」オ−ナ−ズト−ク

「なめてはいけない名珍車」

                      

                               ひろ坊(33歳)

                                    会社員

                            身長173cm 体重95kg

                               免許歴(14年)

車歴 マメタン(9000Km), XL200R(45000Km),CBX400F5000Km)

XT250T(26000Km),VT250Z(10000Km),GPz750R(5000Km)

GPz900R(52000Km,現在も所有)

走行距離・・・中古購入時、12800Km(94年7月)

       現在、   19000Km(96年5月)

「購入動機」

限定解除に成功したのが91年の1月、

四輪の買い換えと重なり新車の大型は諦め、

以前より憧れていた忍者(でも900RではなくGPz750R)84年モデルを

バイク屋で中古で購入しました。初めての大型がフロント16インチです。

その後、忍者オ−ナ−ズクラブの明石での

第2回全国ミーテイングの高速での帰り、

900についていけず、金もないのにGPz900R90年モデルの1年落ち

走行2000Kmの中古に乗り換え、GPz750Rは下取りに。

1昨年、再び大型のフロント16インチのセカンドバイクが欲しくなり

VF750F、CBX750F、750カタナの型、GSX750E4

(FZ750はレプリカなのでパス)あたりを探していたら、

予定外でMC誌の個人売買のGPX750Rを見つけ、

20万円を持って高崎線、

東海道線の各駅停車をを乗り継ぎ袋井市で即決しました。

出た時期がレプリカバイク全盛の時期であまりパッとせず、

群馬ではまだ1回も見かけたことはありませんが、

乗ってみるとなかなかいいバイクです。

さすがカワサキ初の750専用設計、

カワサキワークスレーサーZXR7のベース車だと痛感します。

「軽くて乗りやすい」

何しろ軽いこと。何と言っても乾燥重量195Kg

これはZZR400と同じです。

忍者よりカタログ公称で華奢な女の子1人分は軽い。

大型になれた体としては400感覚で乗れますね

(水冷でありながらあの小さいゼファー750より軽い)。

ワインデイングを軽く流すときや碓氷峠の旧道など

タイトコーナーの切り返しが非常に軽いです。

大型特有の「どっこいしょ」といった感覚がありません。

初期の時代に設計されたフロント16インチ車の様に

「フロントから切れ込んで曲がる」という癖もありません

(250のVTは切れ込んだ)。

ナナハンのホイールベースのおかげでしょうか。

バイクが素直でねらったラインを綺麗にトレースしてくれます。

クイックさを求めるならフロントフォークの突き上げ量を

上げてやればすみます。

ポジション的にもレプリカでなく、

フルカウルなので長距離ツ−リングも疲れませんし、

すり抜けも楽。

ただ忍者の改良したヨーロピアンタイプのパイプハンに慣れた私は

忍者のお古のコンチハンでもっと楽に乗っていますけど。

エンジンについていえばZZR1100と同じ

11500回転からのレッドゾーンまで気持ちよく回ります。

アイドリングからのレ−シングでは電気式タコメ−タ−が追いつかず

レブリミッタ−がきいてしまいます。

標準で速度リミッターがついていないので私の体重でも簡単に

メーター振り切って針が止まります。

国内仕様のため正確に何キロくらい出てるか分かりませんが

220Km/Hはオーバーしていると思われます

(6速の回転数から考えて)。

ちなみにMC誌でお馴染みの

町田市のモ−タ−サイクルDr.SUDAで

パワ−チャックしたところ、クランク疑似で96、後軸で88馬力ありました。

全くのノ−マル状態でです。

このエンジンはカワサキ初の750専用設計

(ZXR750も90年モデルまでこのエンジンでヘッドのみの改造)、

16バルブは当たり前として16ロッカーアームだからでしょうか。

下のトルクも十分で高回転重視の集合管をつけたリッタ−バイクなら

初期発進加速はついていけます。

下から上までフラットトルクのエンジンです。

実際、972ccに排気量を上げてサイレンサ−の芯を抜いた

DEXTERの私の忍者より実用域の加速は良かったです。

同じ人間が同じ感覚でアクセルを開けたときの

回転の上昇がいいんです。

回転の上昇が軽いんです。

カワサキ得意の忍者系エンジンの様ながさつさはなく、

ZX10以降の「ヒュルル」と同じおとなしい音です。

夏場の渋滞でもオーバーヒートはしません。

ほとんど水温系は上がりませんね。

気になる燃費はツーリング21キロ、

街中19キロ、ワインデイング中心で15キロと

ナナハンとしては優等生です。

「アフタ−パ−ツがなく、電装系が弱い」

一時期もてはやされたフロント16インチですが、

今は17インチ時代。

タイヤが限定されます。

それにもう10年選手、トラブルは、

購入後1ヶ月後にタンクの錆がキャブに入りオーバーフロー、

中古のタンク交換とキャブのオーバーホールを要しました。

雨の日等湿度の高い日や、標高の高いところに行くと突然、

低回転がバラついてエンジンの力がなくなる現象が起きます。

電装系(プラグコード)が弱いらしく、プラグがかぶってしまい、

3発エンジンになることが度々でした。

いよいよ嫌気がさして、

社外のプラグコードに変更してだいぶよくはなりましたが。

かぶった時はアクセル全開にしていっぱい空気を入れて

乾かしてやるようにしています

(2発エンジンになった時も走れましたよ。125みたいでしたが)。

80年代後半のカワサキ車にはよく現れる現象のようなので

心当たりの方は

プラグコードをいい物に替えてみることをおすすめします。

フロントフォークの電気式アンチダイブは一番弱くして乗っています。

片方しかついていないのでフロントが捻れる錯覚があります。

最大の難点はカワサキ大型車のシフトペダルの外人仕様、

スニ−カ−なら踏み代えればいいのですが、

オンロ−ドブ−ツではかかとが邪魔して親指のつけ根に豆が出来ます。

これには困ったものです。

不人気車の宿命でしょうか、社外のパーツがほとんどありません。

カスタムにして楽しむバイクではありませんが、

せめてバックステップとマフラーくらいは選べるだけの種類が

欲しいものです。

月木とKERKERしかありません。

やはり、あまり乗っている人が少ないので目立たないです。

最近免許を取得した方などはKAWASAKIのロゴがないと

メーカーが分からないのではないでしょうか。

ましてやアンダ−カウルの「750R」のステッカ−がないと

小さい車格から400Rと間違われそうです。

大型を2台所有しておりますが、

忍者とは別の使い方で楽しませてもらっております。

日本人の体格にあうと言われ、

最近少し注目されている600クラスに

通じるとこるがあるバイクだと思います。

乗ってみて何しろ軽いので忍者と交互にこのGPXに

乗ってくれる女性でも現れないものだろうかと常々思っております。

腕があったら筑波のテイスト・オブ・フリーランスの

ZERO2あたりにも出たいのですが・・。

アメリカンの様に外見のボリュ−ムを重視し、

ドコドコと重たい車重を気にせず乗るのは別にして、

街中や、ワインデイングをキビキビ走る楽しさは、

やはり、軽い車重と

ある程度のパワ−と実感させてくれるバイクです。
総合評価

そうですねえ、安くて速くて軽くていいバイクなんですが

トラブルの多いので・・・80点、と入った具合でしょうか。
               ひろ坊